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40~50歳代に2型糖尿病を発症 高齢になると脳卒中のリスクが上昇
2019年06月20日
カテゴリー: ヘルスデー 

中年期2型糖尿病で高齢期の脳梗塞リスク増
 中年期に2型糖尿病がある人は、高齢期に脳梗塞を発症するリスクが高まる可能性があることが、天津医科大学(中国)のRongrong Yang氏らがスウェーデンの双子を対象に実施した症例対照研究から明らかになった。

 40~50歳代の時点で2型糖尿病だった人は、60歳以降の高齢期に脳梗塞や脳動脈閉塞症を発症するリスクが高まることが示されたという。研究の詳細は「Diabetologia」6月5日オンライン版に掲載された。

 脳卒中は「脳梗塞」と「脳内出血」の2つのタイプに大きく分けられる。最も一般的なタイプは脳梗塞で、脳の血管が詰まって十分な血液が行き渡らなくなり、脳がダメージを受けるもの。一方、脳内出血は脳の血管が破れて、脳の実質内に血液が流れ出した状態を指す。

 Yang氏らによれば、2型糖尿病は長らく脳卒中のリスク因子と考えられてきたが、脳卒中リスクの増加が糖尿病自体によるものなのか、あるいは他の遺伝要因や環境要因によるものなのかは明らかになっていなかったという。

 そこで今回、Yang氏らは、糖尿病であることと脳卒中リスク増加の関連を調べるため、スウェーデンの双子を登録した「Swedish Twin Registry」のデータを用い、1958年以前に生まれ、60歳になる前に脳血管疾患を発症していない双子3万3,086人を対象にコホート内症例対照研究を実施した。

 参加者のうち3.8%(1,248人)が40~59歳の時点で2型糖尿病を有し、9.4%(3,121人)が60歳以降の高齢期に脳血管疾患を発症した。

 年齢や性、BMIなどの因子で調整して解析した結果、中年期の2型糖尿病は高齢期の脳梗塞および脳動脈閉塞症のリスク増加と関連したが(オッズ比はそれぞれ1.29、2.03)、くも膜下出血および頭蓋内出血とは関連しないことが分かった(オッズ比はそれぞれ0.52、0.78)。さらに、高齢期の脳梗塞リスクの増加は、遺伝要因や環境要因の影響を受けないことも示されたという。

 これらの結果を踏まえ、Yang氏は「脳梗塞や脳動脈閉塞症を予防するためには、中年期の2型糖尿病の管理が肝要であることが強調された」と述べている。一方で、今回は観察研究だったため、因果関係を証明するものではなく、「今後さらなる研究の実施が必要だ」と付け加えている。

 では、なぜ2型糖尿病はその後の脳梗塞リスクの増加につながるのだろうか? Yang氏は「2型糖尿病と脳卒中が関連するメカニズムは複雑で、いまだ完全には解明されていない」としながらも、2型糖尿病患者の多くはコレステロール値に異常があり、これが脳内血管の狭窄と関与している可能性があるとの見方を示している。

 この研究には関与していない米モンテフィオーレ医療センター臨床糖尿病センター長のJoel Zonszein氏は、今回の研究について、「スウェーデンでは米国に比べて成人の2型糖尿病の有病率は有意に低い」とした上で、今回の結果が米国人に当てはまるかどうかは不明だとしている。

 しかし、同氏は「糖尿病患者の診療では、早期の正確な診断と適切なリスク管理にもっと注意を払う必要がある」とし、「特に禁煙と降圧治療のほか、糖尿病患者はコレステロール値を管理するためにスタチンを服用すべきだ」と述べている。

 Yang氏も、糖尿病治療ではリスク因子をしっかりと管理することが重要である点に同意し、「糖尿病患者は、高齢期の脳卒中を予防するためにも、定期的な運動や健康な食生活、適正体重の維持、禁煙などの生活習慣の是正とともに、血糖コントロールを行うことが求められる」と述べている。
[2019年6月6日/HealthDay News]

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