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2017年05月25日
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「1日おき断食」ダイエットの減量効果は?
世界の糖尿病最前線
1日断食した翌日は好きなものを食べるという食事法(ダイエット)の減量効果は、従来式のカロリー制限と同程度であることが新たな研究で示された。「JAMA Internal Medicine」オンライン版に5月1日掲載された研究によると、1年後の体重減少率は「1日おき断食」ダイエットでは6.0%、従来のカロリー制限を行うダイエットでは5.3%であったという。
研究を率いた米イリノイ大学シカゴ校運動・栄養学准教授のKrista Varady氏は、「ダイエットは1日おきに休む方が継続しやすく、減量効果が高いのではないかと考えていたが、実際にはそうではなかった」と述べている。
今回の研究では、2011〜2015年に、代謝異常のない肥満者100人(18〜64歳、平均年齢は44歳)を対象に、1日おきに断食する群、従来式のカロリー制限を行う群、全く食事制限をしない対照群の3群にランダムに割り付けて1年間観察した。
1日おきの断食群では、断食日には摂取カロリーを25%にまで制限し、休息日には125%まで摂取できるとし、従来式のカロリー制限群ではカロリーを毎日75%に制限してもらった。最初の6カ月間は減量期、その後の6カ月間は体重維持期として1年間にわたって追跡した。
その結果、1日おきの断食群と従来式の制限群では1年後の減量効果に差はみられなかった。また、脱落率は従来式の制限群(29%)と対照群(26%)に比べて1日おきの断食群(38%)で高かった。
同氏らによると、1日おきに断食する群では、断食日のカロリー制限(1日500kcal)を守ることが難しかった一方で、休息日には許された摂取量を下回る傾向がみられた。そのため、全体的には1日おきの断食群でも従来式の制限群と同程度の減量効果が得られたのではないかと、同氏は説明している。ただし、「1日おきの断食群で摂取カロリーを守れた人では、1年間で20〜50ポンド(約9〜23kg)もの減量に成功しており、一部の人には適した方法であるようだ」と、同氏は付け加えている。
また、断食ダイエットの安全性は高いようであった。1日おきの断食グループと従来式の制限群の間では血圧や心拍数、中性脂肪、空腹時血糖値やインスリン値などに有意な差はみられなかった。
実際に、1日おきの断食を何年も続けている人もいる。しかし、同氏は「誰にでもこの方法が適するわけではない」とし、自分にとって最適なダイエット法を見つけるべきだと強調している。
ある専門家も長期的な断食ダイエットが健康的だとは断言できないとコメントしている。米ニューヨーク大学医療センターの上級臨床栄養士であるSamantha Heller氏は、「間欠的な断食は心疾患や糖尿病の管理には有用でないとの報告もある。こうしたダイエットは多くの人には適さず、人によっては抱えている食生活上の問題が悪化する可能性もあることに注意が必要だ」と述べている。
Could Fasting Every Other Day Help You Lose More Weight?

[2017年5月1日/HealthDayNews] Copyright© 2017 HealthDay. All rights reserved.

[ Terahata ]
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