第7回・第8回・第9回:5種類の計測機器で糖尿病患者さんを1週間モニタリング「食後高血糖に対する尿糖チェックの有用性研究」症例報告

症例検証 CASE 1 Aさんの場合

Aさんのプロフィール

40歳代/男性
2型糖尿病
糖尿病歴:0.5年(2012年から通院)
体 格:身長169cm・体重54kg・BMI 19(痩せ型)
治療法:食事・運動のみ(調査終了後、経口薬療法をスタート)
初診動機:健診でHbA1c 6.4%(NGSP値換算)になったとのことで来院。
初診時のデータ:HbA1c 6.4%(NGSP値)
75gOGTT(ぶどう糖負荷試験):尿糖/血糖/インスリン:食前87/118/2.5・30分83/229/14.5・ 60分1,000/268/28.6・90分1,000以上/221/56.6・120分400/152/43.7 (mg/dL/mg/dL/μU/ml)
家族構成:ご夫婦2人暮らし
発症原因:不明(おそらく家族歴の可能性)
生活環境:工場勤務で残業が多い。奥様ともども研究熱心で、二人三脚で治療に取り組んでいる。

3日間の解析グラフ


 尿糖測定の意義が発揮されるのは、食後高血糖を示す「境界型糖尿病」や血糖コントロールがそれほど悪くない糖尿病患者さんでしょう。この方はHbA1c 6.4%(NGSP値)です。

 それではグラフをご覧下さい。赤がCGM(血糖持続モニター)による血糖の変化、水色のグラフが尿糖を表し数値は尿糖値です。CGMのデータは実際のリアルタイムの血糖値変化と少しずれがあるわけですが、もともと尿糖も大まかにとらえるべき性質のものですので問題はありません。

 5月15日の朝食は、食後血糖が短時間160mg/dLに達したのみなので尿糖は出ませんでした。しかし昼食後血糖が210mg/dL程度に上昇したため尿糖が出ています。このグラフをじっと見ていると、「尿糖排泄閾値」というものの存在がはっきりと分かると思います。

 「尿糖定量は閾値を超えた程度と時間の積分値」と言えるすばらしい指標の一つなのです!生かさない手はありません。

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(2013年10月 公開)