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3. お産後の日常生活で気をつけることがありますか? |
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授乳後に低血糖をおこすことがあります。授乳100mLで約80kcal消費するといわれており、1日の授乳量から計算して産後の1日の摂取カロリーを450kcal程度増やしますが、それでも低血糖になる場合はインスリン注射量を減らしたり、授乳前に補食をします。お母さんは産後育児で忙しいのですが、血糖自己測定(SMBG)は適宜行い、重症低血糖や高血糖を起こさないようにしましょう。
食事内容については、カルシウムや鉄、ビタミンが不足しないようにするのは妊娠中と同じですが、さらに野菜・水分をよく摂るようにしましょう。根菜類や水分摂取で乳汁分泌が促進され、菜っ葉類は乳汁をサラサラにします。また、飽和脂肪酸(動物性脂肪)は控えめにしましょう。飽和脂肪酸はコレステロールを増やし、乳汁が濃くなり乳管が詰まりやすく、乳腺炎にもなりやすいです。
出産後、血糖コントロールが不良になってしまうお母さんが多いようです。それは、妊娠中頑張りすぎた反動であったり、妊娠中の緊張がなくなったためと、子育ての忙しさのために自分の血糖コントロールを気にする余裕がなくなることも関係しているのかもしれません。新しい生活に慣れてきたら、もう一度ご自身の血糖コントロールや体重が、妊娠前のレベルに戻ったかどうかを確かめてみてください。
(大阪母子医療センター 和栗雅子)
2007年11月
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