糖尿病と妊娠に関するQ&A 日本糖尿病・妊娠学会
●産後の注意点
Qマーク 1. お産がすんでも妊娠中と同じ治療が必要なのですか?
Aマーク

《食事療法について》
 授乳期間中は、普段(妊娠前)の摂取カロリーに、授乳のための付加カロリーとして450kcal(肥満者は個別対応)程度増やします。授乳が終われば、付加分をなくし元の摂取カロリーに戻します。

《運動療法について》
 産科医師からの制限がなければ、今まで通り運動してもよいですが、体調に合わせて行なってください。

《薬物療法について》
 出産後インスリン必要量は急激に減ります。なぜなら、妊娠中は胎盤から分泌されるホルモン(ヒト胎盤ラクトーゲンやプロゲステロンなど)がインスリンの働きを抑えたり、胎盤でインスリンが分解されるために、インスリン必要量が増えていたのが、出産後胎盤がでると、その影響をうけなくなるからです。
 ですから、出産前に必要だったインスリン量をそのまま打つと低血糖になりますので、出産直前の注射量の半分か2/3、あるいは妊娠前と同じ量に戻すことが多いです。ただ、個人差がありますので、血糖自己測定(SMBG)の値をみながら調整します。
 2型糖尿病で妊娠前に経口血糖降下薬(飲み薬)を服用していて、妊娠にあたりインスリンに切り替えた方は、授乳中も引き続きインスリンで治療します。なぜなら、飲み薬(経口血糖降下薬)は母乳に混ざり込んで、赤ちゃんが低血糖になることがあるからです。
 また、妊娠糖尿病の場合は産後インスリン注射が必要なくなる場合が多いのですが、中止できない場合は糖尿病合併妊娠と同じように変更します。


(大阪母子医療センター 和栗雅子)
2007年11月

●一般的概念 Q1. 妊娠糖尿病とは?
Q2. 妊娠中の明らかな糖尿病(overt diabetes in pregnancy)とは?
Q3. 妊娠糖尿病になりやすい人はどのような人ですか?

●妊娠前に注意すること Q1. いま糖尿病の治療を受けていますが妊娠できますか?
Q2. 糖尿病があれば赤ちゃんに奇形ができると聞いて心配なのですが?
Q3. ピルをつかっていますが大丈夫ですか?
Q4. 糖尿病の女性は月経不順になりやすいですか?

●妊娠中の注意点 Q1. 妊娠糖尿病はどれくらいの頻度であるのですか?
Q2. 妊娠糖尿病はどのようにして診断するのですか?
Q3. 糖尿病があって妊娠したら自分自身にどんな合併症が起こりますか?
Q4. 妊娠中の血糖値はどれくらいがいいのですか?
Q5. 食事療法について教えてください。
Q6. 妊娠中の体重増加はどの程度がよいのか教えてください。
Q7. インスリン治療について教えてください。
Q8. 妊娠高血圧症候群といわれたのですが大丈夫ですか?
Q9. 糖尿病ケトアシドーシスとはどんな病気ですか?
Q10. 劇症1型糖尿病という怖い病気があると聞いたのですが。
Q11. 糖尿病合併妊娠のときは何か特別な胎児管理が必要ですか?

●分娩時の注意点 Q1. お産は経腟分娩できますか?
Q2. 糖尿病があったら陣痛が始まる前にお産をするのですか?
Q3. お産のときにも合併症が起きるのですか?
Q4. 赤ちゃんが巨大児といわれたのですが大丈夫ですか?
Q5. 生まれた赤ちゃんにはどのような合併症が起こるのですか?

●産後の注意点 Q1. お産がすんでも妊娠中と同じ治療が必要なのですか?
Q2. 妊娠糖尿病の人はお産後も定期的な健診が必要といわれましたが本当に必要なのですか?
Q3. お産後の日常生活で気をつけることがありますか?
Q4. 育児の上で気をつけることがありますか?
Q5. 母乳を飲ませてもいいのですか?
Q6. 1回目に妊娠糖尿病だったら2回目の妊娠でも妊娠糖尿病になりますか?


色ケイ線
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2007 All copylight by The Japanese Society of Dibetes and Pregnancy
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