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1. お産がすんでも妊娠中と同じ治療が必要なのですか? |
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《食事療法について》
授乳期間中は、普段(妊娠前)の摂取カロリーに、授乳のための付加カロリーとして450kcal(肥満者は個別対応)程度増やします。授乳が終われば、付加分をなくし元の摂取カロリーに戻します。
《運動療法について》
産科医師からの制限がなければ、今まで通り運動してもよいですが、体調に合わせて行なってください。
《薬物療法について》
出産後インスリン必要量は急激に減ります。なぜなら、妊娠中は胎盤から分泌されるホルモン(ヒト胎盤ラクトーゲンやプロゲステロンなど)がインスリンの働きを抑えたり、胎盤でインスリンが分解されるために、インスリン必要量が増えていたのが、出産後胎盤がでると、その影響をうけなくなるからです。
ですから、出産前に必要だったインスリン量をそのまま打つと低血糖になりますので、出産直前の注射量の半分か2/3、あるいは妊娠前と同じ量に戻すことが多いです。ただ、個人差がありますので、血糖自己測定(SMBG)の値をみながら調整します。
2型糖尿病で妊娠前に経口血糖降下薬(飲み薬)を服用していて、妊娠にあたりインスリンに切り替えた方は、授乳中も引き続きインスリンで治療します。なぜなら、飲み薬(経口血糖降下薬)は母乳に混ざり込んで、赤ちゃんが低血糖になることがあるからです。
また、妊娠糖尿病の場合は産後インスリン注射が必要なくなる場合が多いのですが、中止できない場合は糖尿病合併妊娠と同じように変更します。
(大阪母子医療センター 和栗雅子)
2007年11月
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