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Q2. 妊娠糖尿病はどのようにして診断するのですか? |
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日本産科婦人科学会では、全妊婦を対象に妊娠初期と中期に妊娠糖尿病のスクリーニングをすることを推奨しています。スクリーニング法としては、妊娠初期は随時血糖法、妊娠中期は随時血糖法か50gぶどう糖負荷試験で行います。妊娠経過とともに血糖をさげるホルモンの効きが悪くなる(インスリン抵抗性の上昇)ため、妊娠初期に糖代謝異常の見つからなかったひとは全員、妊娠中期(妊娠24〜28週)検査を受ける必要があります。スクリーニング陽性であった人には75g糖負荷試験を行い、次の診断基準により診断します。
妊娠糖尿病:75g糖負荷試験において次の基準の1点以上を満たした場合に診断する。
- 空腹時血糖値 ≧92mg/dL
- 1時間値 ≧180mg/dL
- 2時間値 ≧153mg/dL
2010年の診断基準改訂により、カットオフ値が変更され、また従来は「2ポイント以上陽性の場合」とされたのが「1ポイント以上陽性」になったため、妊娠糖尿病の頻度は上昇します。しかし妊娠中に軽度の耐糖能異常を見つけ管理していくことは妊婦さん、赤ちゃんにとってとても有意義なことです。
2016年9月改訂
(岡山大学 平松 祐司)
2013年05月
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