第2章 子どもたちのこころとからだと糖尿病のある生活
1.糖尿病とともにある子どもたち―幼児―
(2)どう支える?子どもたちの糖尿病のある生活―幼児期―

糖尿病と女性のライフサポートネットワーク
井出 薫
(埼玉県立小児医療センター 糖尿病看護認定看護師)

 幼児期では子ども自身が糖尿病の管理をしていくことが難しいので保護者にゆだねられます。特に母親の負担はとても大きいものになるかもしれません。もしかしたら、高血糖になったり低血糖をうまくキャッチできなかったりしたことを、母親が自分のせいだと責めてしまうこともあるでしょう。食事の量や注射、血糖測定、低血糖や高血糖への対応など、一人では抱えきれません。でも、周りをちょっと見渡してみてください。父親や祖父母そしてお友達の母親、幼稚園の先生など私たちの周囲にはたくさんの支えてくださる方がいます。協力してもらいましょう。子どもはたくさんの人たちの中で心も体も成長していきます。そして母親も、子どもと一緒に親として成長していくのです。
 この時期の糖尿病発症は少ないため、同じ境遇の方と知り合いになる機会は少ないですが、小児糖尿病患者会へ参加をしてみると、同じ思いを語り合う機会に巡り合うでしょう。ファミリーキャンプ等への参加をすることも一つでしょう。
 また、幼児期だけでなく小児期に1型糖尿病を発症した場合、家族は、非常に大きなストレスを受けます。育て方や家系、食事の内容などのせいで糖尿病になったのではないかという不安を抱いたり、子ども自身も自分が悪いことをしたためにこうなったのではないかという罪悪感を抱いたりしがちになります。自分を責めてしまうことがあるかもしれません。そのような言葉が聞かれたときは、そばにいる方がじっくり耳を傾け、ご家族や子どもの取った行動のせいでのないことを強調して伝えていくことが大切です

注射や血糖測定はいつころからできるの?
 お子さんが血糖測定機に興味を示したり、注射器の針を付けたがったりしたときに、子どもの意欲を大切にしながら、できそうなことをおかあさんと一緒に行うことが小さな自立の一歩です。  子どもの発達の状況によりますが、4歳児ではペン型注射器に針を付けたり空打ちをすることは可能です。3歳くらいまでは、注射や血糖測定用のバッグを持ってきてもらったりごみを捨ててもらったり、「お手伝い」という形で参加してもらうことが良いでしょう

低血糖にどのように対応するの?
 自分で自覚することが難しいので、子どもの特徴を捉えていきましょう。顔色が悪い、ふらふらする、お話ししなくなる、ぐずる、急に怒りはじめる、などの症状が出現します。なかなか症状だけで判断することが難しいときは血糖測定をして確かめることも大切です。低血糖の時は血糖値や食事までの時間によってグルコース錠や100%果汁ではないジュース(すぐに血糖を上げる働きが少ないため)、ビスケットなどを食べてもらいましょう

幼稚園や保育所は通えるの?
 大丈夫です。可能であれば幼稚園の先生や保育所の先生に病院に来てもらいましょう。主治医より病気について説明をしてもらったり、インスリン注射や血糖測定を行っている場面を見てもらうことで、先生の病気への理解が深まることになります。そして、大切なことは低血糖に注意を払ってほしいことであり、子どもの特徴をできるだけ細かく先生へ伝え、先生とおかあさんお互いに信頼関係を作りながら子どもが園での生活を楽しく過ごせるようにサポートしていきましょう

参考文献
  • 井上龍夫他:1型糖尿病お役立ちマニュアルPart1(第3版)インスリンとともに生きる,日本IDDMネットワーク.P11-12
(2016年02月 公開)
目 次
第1章 基礎講座編
1. 糖尿病と女性のからだ
2. あなたと私のための糖尿病基礎講座
第2章 子どもたちのこころとからだと糖尿病のある生活
1.糖尿病とともにある子どもたち―幼児―
2.糖尿病とともにある子どもたち―学童―
3.糖尿病とともに大人の女性への階段を登る―思春期―
第3章 大人の女性として(青年期)“女性が知っておいた方がいいことって?”
第4章 女性が生命を繋ぐその瞬間(とき)に〜妊娠・出産編
第5章 大変だけど、楽しい。子育てまっ最中の時に
第6章 次の世代を見守りながら育む時を(どう)過ごすか
第7章 看護職の方々へ
1. さあ、看護職者の出番です!
番外編 明日からの糖代謝異常妊婦のケアを考えよう

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