糖尿病患者さんの間食指導をどうする?

V. 指導症例2 (臨床医編)

症例検討とまとめ (1)

2010.02.26

 この連載の最終回は、糖尿病患者さんの間食時の血糖変動を検討したデータをご紹介いたします。昨年の第52回日本糖尿病学会年次集会で湘南鎌倉総合病院の糖尿病療養指導士・佐藤三津子さんが発表されたデータを、今回、同病院非常勤医師・井上真理子先生にご考察いただきました。

●教育入院の糖尿病患者を対象として、間食が血糖コントロールと心理面に及ぼす影響を検討しました。

【対象者】

  • 平成20年10月から平成21年1月に教育入院した糖尿病患者35名(男性21名、女性14名)
  • 平均年齢62.3±11.3歳(中高年層の方)
  • 平均HbA1c 9.4±2.8%
  • 平均BMI 25.6±6.6
【方 法】
  • 間食とQOLに関するアンケート調査を実施しました。
  • 午後3時に80kcalの低カロリー和菓子を摂取していただき、摂取前・摂取30分後・60分後・120分後に血糖測定を行ってもらいました。
【アンケート結果】
 間食の頻度について、週1-2回以上食べる患者さんが88%と、高率に間食をしていることがわかりました。これは、先に糖尿病ネットワーク上で行ったアンケート調査結果でもほぼ同様の結果でした。
 「お菓子を食べたときに罪悪感があるか」という質問に対しては、「そう思う」と「ややそう思う」が合わせて60%と高く、間食が血糖コントロールを乱すことを認識していながらも食べてしまっていることがうかがえます。さらに、「食事療法が辛い」と回答した方が37%、「血糖コントロールを大きくは悪化させない間食の方法が食事指導に含まれていたら嬉しい」と回答した方が63%でした。

【間食の頻度】

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